
✓読者の悩み
・初心者でもわかる自動車保険の選び方を知りたい
・初めての自動車保険は高いから、なるべく安く抑えたい
・そもそも保険を使わなかったら無駄になるし、自賠責保険だけでいいのでは…?
今回の記事の難易度は、「★☆☆☆☆」です。
- 本記事の内容
- 初心者でもわかる自動車保険を選ぶ3つのポイント
- 初心者が保険料を安くする際に使うべき裏技5つ
- 自動車保険は絶対に入っておくべき理由
この記事を執筆する私は、自動車保険の販売員を約10年間経験し、県内セールスNo.1になったことも。
ちなみに、私生活では今まで3つの保険会社の加入経歴があり、それぞれの保険期間中に事故を起こすという名誉(?)つきです。
一応、免許をとった当初は、それなりに運転に自信もあったので(今考えるとそうでもない)、まさか自分の勤務する保険会社にお世話になるなんて、思いもしませんでした(笑)
では、実際に解説していきますね!
1.初心者でもわかる自動車保険を選ぶ3つのポイント

その①:自動車保険の加入先は、対面型?通販型?
私自身、どちらを契約したことも、どちらで事故を起こした経験も(笑)、あります。
まずは2つの加入先を比較してみますね。
対面型
直接、保険会社に足を運んで契約するパターン。代理店型と呼ばれることも。車を購入して、そのままディーラーで契約する場合も、このパターンに含まれます。
✓メリットとデメリットは?
直接保険会社の人の説明を聞けるので、安心感があります。わからないことは、パンフレットなどで説明を受けながら、その場で相談が可能。
デメリットとしては、通販型よりも価格設定が高めな点ですね。
✓主な対面型の保険会社は?
- 東京海上日動火災保険
- 損保ジャパン日本興亜
- 三井住友海上
- 日新火災海上保険
- JA共済
- あいおいニッセイ同和損害保険
などがあります。
通販型
CMなどで見かけることが多くなった通販型の自動車保険。ダイレクト型、ネット型などと呼ばれることもあります。手続はすべてインターネットを経由して行います。
✓メリットとデメリットは?
ネット環境さえあれば、いつでもどこでも契約が可能。人件費がかからない分、価格は安めです。
ただし、ある程度自動車保険の知識がないと、補償内容を決めるときに迷いがちです。推奨されるおすすめプランをそのまま契約すると、不要な補償までついてくることも。
✓主な対面型の保険会社は?
- ソニー損害保険
- セゾン自動車火災保険
- イーデザイン損害保険
- SBI損害保険
- アクサ損害保険
- 三井ダイレクト損害保険
などがあります。
お気づきかと思いますが、よくCMなどで聞かれる「損保」とは、「損害保険」の略です。
「結論、どっちがいいの?」という話ですが、初心者でも補償内容をしっかり理解すれば、通販型で良いと思います。
事故を起こしたときの対応も、大きく差を感じませんでしたし、何より対面型から通販型にして1万円くらい保険料が安くなりました。
補償内容を決めるのに自信がない、安心感が欲しい、という人は、一度対面型の保険会社で契約し、更新するタイミングで通販型を検討するのもありだと思います。
その②:そもそも自動車保険って何を補償するの?
自動車保険は、事故を起こしたときにお金がおりるものです。
補償する内容は大きく分けて3つ。
- 事故を起こしたときの相手の補償→相手の補償
- 自分と同乗者の補償→自分の補償
- 事故を起こした車の補償→車の補償
に分けられます。
それぞれの内容についてざっと紹介します。
相手の補償
事故を起こしたときに、相手にケガを負わせてしまったり、死亡させてしまったりした場合、あなたは全額を払うことができますか?
擦り傷や打撲などで済めば、代わりに払ってあげることができるかもしれませんが、事故の規模によっては、長期間の入院や手術が必要なケースも考えられます。そういったときに役に立つのが、ここでいう「相手の補償」です。
相手の補償は、人の身体だけではありません。物に対しての補償もします。
よくニュースでも見かける「車を運転していて、スーパーに突っ込んでしまった」というときも、物の補償に該当します。
人に対する補償を「対人賠償」、物に対する補償を「対物賠償」と呼ぶので、しっかりと覚えておきましょう。
自分の補償
事故を起こしたときに、運転していた人を含め、同乗していた人のケガなどを補償します。もちろん、入院したときや万が一のときの補償もあります。
「自分の補償」は、「搭乗者傷害」と「人身傷害」の2つに分けられ、
- 搭乗者傷害=あらかじめ契約で決められた金額が、入通院日数や後遺障害などの程度に応じて支払われるもの
- 人身傷害=保険金額を上限とし、治療費や精神的損害などの実際の損害額が支払われるもの
が、あります。
例えば、
“1回医者にかかったら1万円、5日以上入院したら50,000円が支払われる搭乗者傷害”と、
“保険金額3,000万円の人身傷害”
に加入していたとします。
事故が原因で5日間入院し、入院費が100,000円かかった場合…
搭乗者傷害からは、最初に医者にかかった時点で10,000円、5日以上入院したので50,000円。
人身傷害からは、実際に入院にかかった費用である100,000円。
つまり、160,000円があなたに支払われます。入院費を上回ります。
しかも、「入院期間に仕事ができなくて働けなかった」という場合は、休業損害も補償されるので、実際の入院費よりも多くもらえる可能性があります。
ちなみに、保険会社によっては、搭乗者傷害がなく、代わりに人身傷害の中に「障害一時金」という項目で、同じ役割をする補償制度がある場合もあります。
自分の車の補償
自分の車の補償は、その名のとおり、自分の運転していた車の修理費用にあてられる補償で、「車両保険」と呼ばれることが多い項目です。盗難や、自然災害で車が壊れてしまった場合も補償されます。
また、車の中に載っていたものが壊れた場合や、車が壊れて乗れない間のレンタカー代を補償するなど、オプションで補償を追加することもできます。
この「自分の車の補償」は、高級車や新車ほど保険料が高くなる傾向があります。
なかには新車で購入したのに「運転には自信あるし、保険料を安くおさえたいから」という理由で、車両保険に入らない方もいますが…なかなかの自殺行為ですね(笑)
新車こそ盗難にあう可能性は高いですし、何より新車をダメにして、あらたに車を買い直す費用を考えたら……入っておくほかないですよね。
この「相手の補償」「自分の補償」「車の補償」の3つを組み合わせ、さらにオプションなどを肉付けしていくことで、自分の自動車保険ができあがります。
携帯電話のプランと同じような感覚です。
その③:保険料ってどうやって決まる?

保険料は、補償の内容と、以下の8項目ほどを基準にして決められます。
①等級
もっとも保険料に大きく響くのが、この「ノンフリート等級」と呼ばれるものです。基本的に6等級からスタートし、1年に1回1等級だけアップします。
一番割引率の高い等級は20等級なので、純粋に考えるとMAXの割引率になるまでに15年かかります。ちなみに1回事故を起こして保険を使うと、基本的に3等級ダウンします。20等級のゴールまでは、すごろくのようになかなか長い道のりです。
②年間走行距離
年間に車をどのくらい走らせるかによっても、保険料が変わります。ほとんど乗らなければ事故にあう確率も低いように、走行距離も保険料に比例します。
③年齢条件
年齢条件も、等級と同じくらい保険料に影響します。
基本的には、
- 18~20歳以下
- 21歳以上~29歳以下
- 30歳以上~34歳以下
- 35歳以上
で区切られることが多く、年齢が高くなるにつれて保険料も安くなります。
免許取りたての場合は、事故率が高く、どうしても保険料は高くなりがちです。
④免許の色
免許証には、「グリーン」「ブルー」「ゴールド」の3色があるのはご存知ですか?
「ブルー」と「ゴールド」はよく聞くという方は多いと思いますが、実はもう1種類「グリーン」たるものが存在します。
「グリーン」とは、免許をとってから最初の更新までの3年間のカラーであり、初めて免許を更新すると「ブルー」に変わります。そして、過去5年間に一度も違反しなければ、「ゴールド」の栄光を手に入れることができます(私が未だかつて手にしたことがない栄光…)。
⑤被保険者(ドライバー)の範囲
誰が運転したときに補償するかを設定します。家族だけ、夫婦だけ、自分だけ…と範囲が狭くなればなるほど安くなります。
ここでのポイントは、飲みに行ったときに「代行」を利用する人です。
ドライバーの範囲を設定してしまうと、もし代行会社の人が事故を起こしたときに補償されません。
代行を利用する可能性がある場合は、ドライバーの範囲を設定しないようにしましょう。
⑥運転する地域
ナンバープレートによっても、多少の差があります。
補償内容によっては、関東と関西で5,000円ほど差がでる可能性もゼロではありません。
ただ、このためだけに他の県でナンバープレートを取得する、なんて人はいないでしょう…(笑)
⑦使用目的
業務で使うのか、通勤・通学で使うのか、はたまた日常・レジャーで使うのかで保険料が変わります。
基本的には
業務用>通勤・通学>日常・レジャー
の順で高くなります。
⑧車のタイプ(軽、普通車など)
普通車や軽自動車といった車のタイプや、車種によって「料率クラス」というものが決まっています。
「料率クラス」は、車種ごとの過去の事故データから、事故をどのくらい起こしやすいかどうかを数字であらわしたものです。
保険料の算出方法は各保険会社によって異なりますが、基本的にはこの8項目ほどと補償内容から保険料を算出しています。
2.初心者が保険料を安くする際に使うべき裏技5つ

その①:等級継承
通常、6等級からスタートする保険。
6等級というのは、一般的な保険会社でたったの3%ほどしか割引されません。
そこで、
- すでに6等級以上の保険に加入している親からその等級を譲り受ける
- 代わりに、親には新規で保険に入ってもらう
という裏技を使えば、はじめから高い等級で自動車保険に入ることができるので、保険料をかなり安くおさえられます。
家族内で見てもトータル的にお得になるので、免許をとって最初に自動車保険に入る場合は、この手を使うほかないでしょう(なぜかうちの親は等級を譲ってくれませんでしたが)。
その②:運転者を限定
裏技の2つ目は、運転者を限定する方法です。
ドライバーの範囲をなるべく狭めて、家族だけ、もしくは自分だけにしてしまいましょう。
ただし、運転者を限定すると、友達が運転して事故を起こした場合は補償にならないので、注意が必要です。
その③:通販型を採用
インターネットを利用した通販型の自動車保険に加入する裏技です。
保険会社に出向いて自動車保険を加入するよりも格段に安くなります。
初めての自動車保険の加入は、わからないことだらけのように思いますが、今は質問に答えていくだけで補償内容を決められる自動車保険がほとんどです。
そこまでハードルを感じずに加入できますよ。
その④:新車を買う
新車割引を適用するために、新車を購入する裏技です。
ただし、新車を保険にいれる場合は「自分の車の補償」をつける人がほとんどです。そうなると、トータル的には高くなる可能性もあるので、一概に「裏技」といえないのも事実です(笑)
その⑤:保険料の安い車を選ぶ
車を購入する時点で、保険料の安い車を選ぶことです。
保険料の安い車とは、
- 普通車より軽自動車
- スポーツカーよりファミリーカー
- 外車より日本車
- エコカー
などが挙げられます。
とはいえ、保険料のために自分の欲しい車を妥協するのも悲しいですよね。
であれば、いっそのこと「年齢条件で安くなる21歳になるまでは、車を購入しない!」という裏技もあります(保険加入を考えているのに、「車を買わない」はもはや無理ゲーな気もしますが…)。
3.自動車保険は絶対に入っておくべき理由

「自賠責保険に入っているから、自動車保険は入らなくていいんじゃないの?」という考えもあるでしょう。
確かに、車に乗るには、自賠責保険は必須で、自動車保険はあくまでも任意です。
とはいえ、自動車保険は絶対に入っておくべきです。
自賠責保険だけでは補償が全く足りません。まず、相手の補償しかありません。
もし事故を起こしてしまって自分がけがを負った場合、自動車保険の加入がないと医者への通院も、車の修理代も、何もかも自分で負担することになります。
「相手がいれば、相手が補償してくれるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、過失割合によります。
過失割合とは、簡単にいえば、どちら側がどのくらい悪いか。自分に過失がある場合は、たとえ相手が保険に入っていたとしてもお金はおりません。
だから、自動車保険は自賠責保険とともに絶対に入っておくべき保険なのです!
初心者は、いかに保険料を安くするかが重要
初心者は、どうしても保険料が高くなる傾向があるため、いかに保険料をおさえるかが重要です。
できるだけ多くの裏技を使って、保険料を下げて他のことにお金をまわしたいですよね。
もちろん、事故をおこさないことが一番ですが、何かあったときに備えるお守り代わりとしてしっかりと自動車保険には加入しておきましょう!
コメント
コメント一覧 (1件)
自動車保険の販売を少しかじっていたことがありましたが、知りたい内容が分かりやすくまとまっていてあっという間に読んでしまいました!これからの保険選びの参考にします!